株式投資はどう始めたらいいの?

株式投資

2024年にNISAが新しくなり、友達や同僚から「株式投資を始めた!」なんてことを耳にすることも多くなったのではないでしょうか。 

しかし、投資をしたことがない人にとって、どのような方法で始めたらいいのかという技術的なハードルと買った金融商品が下落するのではないかという精神的なハードルがあると思います。 

特に、後者の恐怖感が大きいのではないでしょうか。  

そこで、ここでは、投資の初心者が最初の一歩が踏み出せるように、投資の考え方・コツをわかりやすくお話ししたいと思います。 

1 投資のためのマインドセット

 投資で成功している人はたくさんいますが、実はその方法は一人ひとり違います。
つまり、「正解」は一つではなく、成功する方法は人それぞれなのです。 

では、そんな成功者たちに共通している秘訣は何だと思いますか? 

それは、「自分の投資哲学を持ち、それを守り続けること」です。 

でも、最初から投資哲学がある人なんていません。
みんな、失敗を経験しながら少しずつ自分の考え方を練り上げてきたのです。 

初心者のうちから完璧な投資哲学を作る必要はありません。でも、以下の4つを意識して投資を始めることで、自然と自分なりの考え方が見えてくるはずです。 

(1)投資の目的を明確にする

 まず、「なぜ投資をするのか」をはっきりさせましょう。 

たとえば、「老後の資金を作る」という目的を持てば、長期的な目線で投資に取り組めます。
短期的な値動きに振り回されることが少なくなり、冷静な判断がしやすくなります。 

(2)リスクを正しく理解する

 投資には「リスク」がありますが、ここでのリスクとは「価格の振れ幅」のことです。
一般的な「危険」とは少し意味が違います。 

たとえば、株式は価格が上下するものですが、だからこそ安いときに買って高いときに売れば利益が得られる仕組みです。
どうしても下落だけがクローズアップされがちなので、価格が下がると不安になるかもしれませんが、リスクはチャンスでもあることを覚えておきましょう。 

(3)感情に流されず冷静に判断する 

投資で一番難しいのが、この「冷静さ」を保つことです。 

価格が下がると焦り、上がると気が大きくなるのは誰でも同じです。
それが大きくなればいわゆるパニック状態になることにもなります。 

ベテランの投資家は、そのような時でも感情に流されず、自分のルールに従って淡々と売買をしています。
大きな下落が起きても冷静に判断して、時間はかかりますが、きっちり取り戻しています。初心者のうちは、ルールを紙に書き出して守るのがおすすめです。 

(4)学び続ける

 これもとても大事なことです。 

投資で成功している人は、常に学び続けています。 

取引で失敗したときには必ず原因を考え、改善していく。それを繰り返しているのです。 

初心者はまず、市販の本やインターネットで投資の基礎を学びましょう。
そして、取引のなかで成功と失敗を繰り返して、知識やスキルを増やしていきましょう。こうしていくうちに、自分なりの「型」ができていきます。 

2 おすすめの株式投資方法

 投資を始めたいと考えている方には、個別株式に比べて値動きが穏やかな株式投資信託がおすすめです。
ここでは、投資信託を選ぶときに大切なポイントを4つご紹介します。 

(1)コストの低い商品を選ぶ

 投資には、購入時、保有中、売却時にさまざまなコストがかかります。
たとえば、以下のような費用があります。 

①購入時手数料(買うときにかかるお金) 

②信託報酬(保有中にかかる管理費用) 

③売却手数料や税金(売るときにかかるお金) 

こうしたコストは1回あたりは少額に見えますが、長期間にわたると利益を大きく目減りさせてしまいます。
投資商品を選ぶ際には、コストの観点は見逃さないようにしましょう。 

(2)分散投資(銘柄・地域など)

 投資の基本ルールとして、「1つのかごに卵を盛るな」という格言があります。
これは、1つの銘柄だけに投資すると、その銘柄が下がったときに大きな損失を受けるリスクが高いという意味です。 

複数の銘柄や異なる地域(たとえば日本と海外の株式)に分散して投資することで、1つの銘柄が下がっても他の銘柄がカバーしてくれます。 

分散投資を実現するには、複数の株式や地域に投資するタイプの投資信託を選ぶのがおすすめです。 

(3)長期運用&分散投資(時間を味方にする)

 短期的には株価が上下することがありますが、歴史的に見て、株式市場全体は20年以上の長期で保有すると価格が上昇することが知られています。
たとえば、米国株式市場は過去に何度も下落を経験しましたが、長期的には上昇し続けています。 

さらに、定期的に同じ金額を投資(ドルコスト平均法)することで、価格が下がったときには多くの株式を買うことができ、平均購入価格を下げることができます。
この方法は初心者でも無理なく続けられるため、特におすすめです。 

(4)長期保有(バイアンドホールド戦略)

 投資家にとって「いつ売るか」は非常に難しい判断です。
また、売却時には手数料や税金がかかり、利益が減ることがあります。 

初心者には、投資信託を買ったら基本的に長期保有することがおすすめです。
そして、お金が必要になったタイミングで売却するというシンプルな戦略をとりましょう。
長期間保有することで、売買コストを抑えながら資産を着実に増やすことができます。 

3 おすすめの投資信託

 投資初心者の方には、「分散投資」と「コストの少なさ」を兼ね備えた商品がおすすめです。
その条件を満たすのがインデックス投資信託です。 

インデックス投資信託は、特定の指標(インデックス)に連動するように運用される投資信託です。 

たとえば 

日本市場:日経平均株価やTOPIX 

アメリカ市場:S&P500やダウ平均 

こうしたインデックスに連動する投資信託は、市場全体に広く分散して投資されるため、個別株式に比べてリスクが抑えられています。
また、信託報酬(運用コスト)が低く設定されているものが多く、初心者でも手軽に始められるのが魅力です。 

さらに、多くの商品は分配金が自動で再投資される仕組みになっているため、追加の手続きなしで資産を増やしていくことができます。
これにより、忙しい方でも無理なく投資を続けることが可能です。 

以下の3つのタイプが、特にリスクを抑えながら資産を増やすのに適しています。 

① 全世界の株式指標に投資する投資信託

 全世界の株式市場に幅広く投資するタイプです。
日本、アメリカ、ヨーロッパ、新興国など、世界中の企業に分散投資できます。 

世界全体の経済成長に合わせて資産を増やしていけるため、リスクを分散しながら長期で資産形成をしたい人に最適です。
初心者には特にこのタイプがおすすめです。 

② アメリカの株式指標に投資する投資信託

 アメリカ市場は世界経済の中心であり、長期的に見て成長が期待されています。
S&P500に連動する投資信託は、アメリカの代表的な500社に投資するものです。
高い成長率を狙いたい方に向いています。 

③ 日本の株式指標に投資する投資信託

 日経平均やTOPIXに連動する投資信託は、日本企業に投資するものです。
国内市場を重視したい方や、身近な企業への投資を実感したい方におすすめです。 

4 おすすめの証券会社 

(1)選ぶときのポイント

証券会社を選ぶときは、以下のポイントをチェックしましょう。 

①手数料・コストが安いこと

 口座維持手数料が無料であるかも確認しましょう。 

売買手数料が安いかどうかは大事です。特に頻繁に取引する人は必ずチェックしてください。 

最近は「手数料無料」を打ち出すネット証券も多く、初心者にはありがたい。 

② 取扱商品が豊富・サービスの幅があること

 株式以外にも、投資信託・ETFが購入できること、NISA・iDeCoなどが使えることは必須です。 

また、海外株式に興味があるなら、米国株や中国株の取り扱いがあるかも選ぶ際のポイントになります。 

③アプリ・ツールなどが使いやすいこと

 スマホでの取引が多い場合には、アプリの操作性や見やすさも重要になります。 

チャートや分析ツールが充実しているか、初心者にも扱いやすいかもポイントです。 

④情報提供が充実していること

 初心者向けのコラムや動画解説などの情報提供が充実している証券会社が望ましいです。 

⑤サポート体制が充実していること

 最初のうちはわからないことも多いですから、万が一のときのサポート体制(電話・チャット・店舗)が整っている証券会社がいいと思います。 

⑥キャンペーンや特典

 口座開設時にキャッシュバックやポイント還元がある場合もあります。 

また、Vポイントや楽天ポイントが貯まる証券会社もあり、人気があります。 

(2)人気のネット証券

 最近はネット証券が人気で、口座数を大きく増やしています。 

ネット証券は、店舗を持たない分、手数料や運用コストが低く抑えられており、スマートフォンやパソコンを使って簡単に投資ができるため、忙しい方でも手軽に始めることができるからです。 

さらに、クレジットカードや銀行口座から自動で積立投資ができる仕組みが整っており、初心者でも続けやすい環境が整っています。 

また、口座開設時にキャッシュバックやポイント還元があったり、Vポイントや楽天ポイントが貯まる証券会社もあり、人気があります。 

そのなかで、初心者には次の3つのネット証券会社がおすすめです。 

ア SBI証券

 業界最大級の取扱商品数を誇り、豊富な選択肢があります。
特に三井住友カードを利用した投資信託の積立でポイントが貯まるサービスが魅力です。 

イ 楽天証券

 楽天ポイントを使った投資や、楽天カードでの積立投資でポイントが貯まるのが特徴です。楽天経済圏を利用している方には特におすすめです。 

ウ マネックス証券

 手数料が安く、海外株式や外国ETFの取り扱いも豊富です。幅広い投資を検討している方に向いています。 

どの証券会社を選んでも、基本的に大きな違いはありませんが、以下のことを基準にすると選びやすいと思います。 

・三井住友カードを持っている方はSBI証券 

・楽天市場でよく買い物をする、楽天カードを持っている方は楽天証券 

・海外投資や多様な商品を考えている方はマネックス証券 

5 少額から始めよう

 投資をしたことがない方にとって、「価格が下がる」「お金が減ってしまうかも」といった不安はとても自然なことです。
実際、そうした心配から投資を避けてきた方も多いでしょう。 

でも、少しずつ、たとえば毎月数千円からでも始めてみると、次第に価格の変動にも慣れてきます。
焦らず、長い目でじっくり続けることが大切です。
続けるうちに、資産が少しずつ増えていくのを見るのが楽しくなってきます。 

すると、「もっと投資について知りたい」「今度はどんな商品にしよう?」と、自分から学ぶことが自然と増えていきます。
こうした経験の積み重ねが、自分らしい投資のスタイルを育て、スキルもどんどん磨かれていきます。 

6 まとめ

 株式投資を始めるには、ある程度の知識と心構えが必要です。
でも、最初から完璧を目指す必要はありません。まずは「目的を持つ」「リスクを理解する」「感情に振り回されない」「学び続ける」——この4つを意識して、小さく始めてみましょう。 

おすすめは、少額から始められ、分散投資ができるインデックス型の投資信託です。
証券会社も、自分のライフスタイルに合ったネット証券を選べば無理なく続けられます。
投資は長距離走。焦らず、自分のペースで続けることが、将来の大きな資産づくりにつながります。 

小さな一歩が、あなたの未来を大きく変える第一歩になるかもしれません。