NISA制度の影響もあり、日本国内でも資産形成の手段として投資信託を活用する人が増えています。
現在、多くの投資家がインデックスファンドを選択しており、多くの証券会社で投資信託ランキングの上位を占めています。
一方で、アクティブファンドの人気は低迷が続いています。
しかし、アクティブファンドはインデックスファンドよりも長い歴史を持ち、優れたファンドマネージャーたちが競い合ってきた分野です。
それにもかかわらず、1990年代以降の調査では、少なくとも70%以上のアクティブファンドが長期運用でインデックスを下回る成績を記録していることが明らかになっています。
この背景には、運用コストの高さが一因として挙げられるでしょう。
特に、金融業界が投資家よりも業界の利益を優先してきた姿勢が影響していると考えられます。
しかし、近年では投資家目線で設計されたアクティブファンドが登場し、有能なファンドマネージャーが運用を手掛けています。
これにより、アクティブファンドが再び注目を集める可能性が出てきています。
今回は、アクティブファンドの特性や、資産形成における活用方法について詳しく解説していきます。
1 アクティブファンドとは?
アクティブファンドは、ファンドマネージャーと呼ばれる資産運用の専門家が、独自の判断で投資先銘柄などを選定・運用し、特定の指数(ベンチマーク)を上回る運用成績を目指す投資信託です。
アクティブファンドの運用は、ファンドマネージャーやアナリストの専門知識と判断力に依存します。
彼らは企業の業績や市場のトレンドを詳しく調査し、投資対象を選定します。
そのため、特定のテーマやセクターに特化したファンドや、成長が期待される地域に焦点を当てたファンドなど、多様な運用戦略が存在します。
例えば、テクノロジー分野の成長企業に特化したアクティブファンドでは、業界の動向を分析し、今後の成長が見込まれる企業に重点的に投資します。
また、新興国市場に特化したファンドでは、経済成長が著しい地域や国の株式を選定し、高リターンを目指すことがあります。
2 アクティブファンドのメリット・デメリット
(1)アクティブファンドのメリット
① 市場平均を上回るリターンの可能性
アクティブファンドは、運用会社が市場の動向や個別の銘柄分析を基に投資を行うため、うまく運用されれば市場平均を上回るリターンを得られる可能性があります。
② 柔軟な運用が可能
市場環境の変化に応じて、投資対象やポートフォリオの構成を柔軟に調整・変更することで、リスクを抑えながら収益を追求することが可能です。そのため、下落相場でも比較的安定したパフォーマンスを目指せる場合があります。
③ 専門家による徹底的な分析
知識と経験が豊富なファンドマネージャーやアナリストが、個人投資家では入手が難しい情報などを基に、市場環境や投資対象などを分析して投資先を選定しているので、高いリターンが期待できます。
④ 特定のテーマやセクターへの集中投資
テーマ型ファンドなどは、特定の産業やトレンドにフォーカスした投資が可能で、成長性の高い分野に集中できる場合があります。そのため、市場全体が低迷している場合でも、選定された銘柄やセクターが好調であれば利益を得るチャンスがあります。
(2)アクティブファンドのデメリット
① 運用コストの高さ
アクティブファンドでは、ファンドマネージャーやアナリストの人件費、調査費用、売買手数料などの運用コストがかかります。
このため、信託報酬がインデックスファンドと比較して高い傾向にあります。
コストが高い分、期待するリターンが得られない場合は投資効率が悪化する可能性があります。
② 運用担当者の手腕への依存
ファンドの運用成績は、ファンドマネージャーの調査力や分析力、投資判断力に大きく左右されます。
優れた運用が実現すれば市場平均を上回るリターンを得られますが、判断ミスや市場動向の読み違いによって、市場平均を下回る結果となるリスクもあります。
③ 流動性リスク
特定の銘柄や市場に集中投資している場合、その銘柄や市場で取引が制限されたり、ファンドの流動性が低下したりする可能性があります。
これにより、売却が困難になったり、予期しない損失が発生したりすることがあり、ファンドのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
3 アクティブファンドを選ぶ際のポイント
アクティブファンドは運用方針や投資スタイルが多岐にわたるため、自分の投資目標やリスク許容度に合ったものを選ぶことが重要です。以下のポイントを参考にしてください。
① 運用哲学・投資スタイルを確認
ファンドの目論見書に記載されている運用方針(例:グロース投資、バリュー投資、テーマ型投資など)が、自分の投資目標やリスク許容度に適しているか確認しましょう。
また、ファンドマネージャーの投資プロセスや意思決定が透明であるかも重要な判断基準です。
② 運用実績や純資産総額を確認
長期的に安定した運用実績があるかを確認してください。
市場平均や競合ファンドとのパフォーマンスの比較を、少なくとも5年、可能であれば10年以上の期間で行うようにしましょう。
また、純資産総額が小さいファンドは運用の安定性に欠ける場合があるため、目安として30億円以上のファンドを選ぶとよいでしょう。
③ 費用対効果を検討
信託報酬や販売手数料といったコストが、期待されるリターンに見合うかを検討します。
コストが高すぎる場合には、実質的な利益が圧縮されるので、避けたほうがいいと思います。
④ ファンドマネージャーの経験と実績を確認
アクティブファンドの場合、ファンドマネージャーの力量がファンドのパフォーマンスに大きく影響します。
今までどのような市場環境で成果を出してきたか、特に過去の下落相場でのパフォーマンスを確認することが重要です。
⑤ リスクの度合いを確認
アクティブファンドは集中投資を行うことが多く、リスクが高くなる場合があります。
集中投資の程度やリスクの高い銘柄への投資比率を確認し、自分のリスク許容度と合致しているかを見極めましょう。
4 アクティブファンドの上手な使い方
① ポートフォリオの補完的な役割として活用
インデックスファンドを基盤としつつ、アクティブファンドを戦略的に組み合わせることで、ポートフォリオの多様性とリターンの可能性を高めることができます。
例えば、成長性が期待できる分野や特定のテーマを狙うアクティブファンドを加えることで、全体のポートフォリオに深みを持たせことができます。
② 目的に応じた時間軸を設定
アクティブファンドは長期的なテーマやトレンドに基づく投資に適しています。
短期的なパフォーマンスには過剰に反応せず、長期的な視点で運用を評価しましょう。
③ 分散投資を意識
複数のアクティブファンドを選ぶ際には、地域や資産クラス、テーマが偏らないように分散投資を心がけます。
ファンド間の相関性を考え、リスクを分散させつつ全体の効率を高めるようなポートフォリオを構築しましょう。
④ 運用成績を定期的にチェック
アクティブファンドのパフォーマンスは、ファンドマネージャーなど運用者のスキルや市場環境に影響されるため、定期的な評価が必要です。
リターンだけでなく、リスクやベンチマークとの乖離などを確認し、必要に応じてリバランスや解約を検討しましょう。
5 まとめ
アクティブファンドは、市場平均を上回るリターンを目指す投資手法で、特定の分野やテーマへの投資で力を発揮します。
効果的に活用するには、インデックスファンドを基盤としたポートフォリオに戦略的に組み込むことや地域やセクターを分散させることが重要です。
また、ファンドマネージャーのスキルやファンド運用方針を十分に理解し、運用成績を定期的にモニタリングすることで、リスクとリターンをバランス良く管理できます。
適切にアクティブファンドを選び、活用して、ポートフォリオ全体の価値を大きく高めましょう。